シュリンク

縮小すること、縮むこと。萎縮する、恐れること。

【使用例】
『長期的にみてシュリンクが予想される市場から事業を撤退させる。』

チップ等が加工技術の微細化向上により、サイズが小さくなることをいう場合が多い。また経済や市場・予算の縮小、布などが縮むこと、あるいはひるむ、恐れる、避けること。ウィンドウを小さくするときにも用いる。

シュリンクとは、縮小すること、縮むこと、あるいは萎縮すること、などの意味を持つ言葉です。ビジネス用語として用いる場合は、概ねふたつの意味合いで使用します。

まず、ひとつめとして、サイズの小型化や小さくする技術を指し、主にIT分野でのICチップなどの縮小化やデータの圧縮化などをシュリンクといいます。
このICチップの小型化=シュリンクですが、これが日本の工業製品の小型化・高性能化につながり、メイドインジャパンの製品が世界を制覇する原動力となりました。

ふたつ目としては、市場などが縮小することにもシュリンクを用います。
日本は、少子高齢化の問題に有効な対策が打てず、長期的に国内市場が縮小していくことは避けられない状態です。現在は、このシュリンク=市場縮小の意味で使われることが一般的だと思われます。

思えば、戦後日本の成功と挫折の物語は、シュリンクの歴史でもありました。
世界最高の技術力で、様々な工業製品の小型化・高性能化を実現、小型化=シュリンクされたメイド・イン・ジャパンの製品は世界を席巻し、その経済力はをジャパンアズナンバーワンとまで謳われました。
しかし、やがて来ることが分かっていた少子化問題への取り組みを先送りし、そして冷戦終結後のグローバル化の波にも取り残され、日本の国内市場は縮小=シュリンクしていき、成長する世界経済市場から独りぽつんと取り残されてしまいました。

まさにシュリンク(小型化の技術)で得た繁栄に酔い、結果、少子化対策を怠り、シュリンク(市場縮小)による国力の衰退に直面しているというところですが、だからとって、厳しい状況を前にシュリンク(委縮)してばかりいても仕方がありません。是非、強い競争力を回復し、世界の市場に打って出て、メイド・イン・ジャパンの底力を示したいものですね。