サンクコスト

サンクコストとは、ある事業や経済行為に投入した資本(資金や労力等)のうち、その事業や経済行為が中止・縮小あるいは撤退したとしても、回収できない費用のことです。 埋没費用ともいいます。

環境問題や投資効果など、何らかの理由で途中で中止になった大型公共事業の調査費用や未回収のまま枯渇してしまった天然資源掘削事業の投下資本などが、その例としてあげられます。
大型の事業ではサンクコストも大きくなるので、寡占論においては、サンクコストの多少が、事業へ参入するさいのハードルを高さを決めるひとつの要因であるともされています。

身近なところでは、前売りチケット問題がよくサンクコストの引き合いに出されます。
映画や芝居などの前売りチケットを買って、長さ2時間30分の作品を観劇するとします。しかしあまりにも退屈で、最初の30分で見る気が失せましたが、つまらないのを我慢して最後まで見続けました。この場合、チケット代金と観劇に費やした2時間30分を失ったと考えられます。
でもつまらないと判断した30分で鑑賞を中断した場合、本来は鑑賞に費やしたであろうの残り時間の2時間を有効に使うことができます。
したがってこの場合、前売りチケット代と退屈だと判断するまでの30分は回収不能の費用=サンクコストとしてとらえ、途中退席するのが合理的な行動と考えられます。

でも実生活では、チケット代の「元をとらなきゃ」と考えて、つまらない作品をだらだらと見続け、結局、お金も時間も無駄にするケースが多いのですが。