デフレーション(デフレ)

デフレーション(デフレ)とは、物価水準が継続的に下落し続ける現象のことで、市場における総需要が総供給を下回ることにより、財・サービスなどの価格が下落していき、同時に貨幣価値の上がっていく状態を指します。
需要不足の他にも、安い輸入品が大量に入りこんでくることが原因となる輸入デフレや、地価や株価など資産価格の下落が投資・消費意欲を減退させる資産デフレなどがあります。

デフレは一般的に不況を伴います。需要不足が生産の縮小を招き、その結果、企業業績の 悪化や失業の増加などが起こり、経済が停滞・後退するのです。

デフレによる不況で個人所得が減少し、消費が抑制されると、さらに需要が減り、それがまた生産の減少や物価の下落を招き、企業の収益が悪化、倒産・失業の増加、賃下げなどにつながり、さらなる個人所得の減少、消費抑制、需要伸び悩み、そして生産減少や物価下落……と出口の見えない悪循環に陥ることがります。これがデフレスパイラルです。

日本では、バブル経済崩壊以降、ことに1990年代後半に入ってからデフレ傾向が強まり、経済の停滞が続いています。規制緩和や賃金の減少、バブル崩壊後の需要不足などがその原因としてあげられ、歴代政府も対策を打ってきましたが、効果は上がっていません。

この「失われた20年」とも呼ばれる長期の経済停滞を打破するために、2012年12月の安倍内閣誕生とともに登場してきたのがアベノミクスです。
年2%程度のインフレ目標を掲げ、デフレ脱却、経済再生を目指して、華々しく始まったアベノミクス、スタートは上々でしたが、途中で失速、「異次元の金融緩和」も空しく、思ったようなデフレ脱却効果は上がっていません。

現在の莫大な「国の借金」を考えると、アベノミクスが想定する穏やかなインフレよりも、むしろハイパーインフレの悪夢の方が現実味があるかもしれません。