源泉徴収とは、給与や報酬など、ある所得が発生した際、その支払者が支払い金額に応じて、税金(所得税)をあらかじめ徴収し、国に納付する制度です。所得税を徴収・納付する義務者(支払者)のことを源泉徴収義務者といいます。
源泉徴収における所得税額は、国税庁から毎年公表される源泉徴収税額表に基づいて、算定されます。
給与所得の源泉徴収税額については、支給金額から社会保険料等を控除し、扶養者の数などを考慮して、税額表に基づき計算します。
また、2013年1 月1日から2037年12月31日までの間に生じた所得については、源泉所得税と併せて復興特別所得税(税率は0.21%もしくは0.42%)も徴収されることになっています。
源泉徴収された所得税の差額調整は、給与所得者は年末調整で、自営業者などは確定申告で行います。
報酬等の金額の中に消費税が含まれていた場合、その消費税込みの金額が源泉徴収の対象とされますが、請求書などにおいて報酬等の金額と消費税の額が明確に区分されている場合は、その報酬等の金額のみを源泉徴収の対象として構いません。
源泉徴収が必要な範囲としては、給与・退職金・利子・配当などの所得や、原稿料や講演料、士業者や芸能行為への報酬、診療報酬などの所得が挙げられます。
そもそも所得税は申告納税が建前となっていますが、徴税技術上の要請から源泉徴収制度が採用されています。
源泉徴収制度は、徴税効率が高く、重税感も緩和される一方、その裏返しとして、主に給与所得者のガラス張り納税の不公平感や、納税の痛みを薄れさせ、税とその行政的ベネフィットの関係を見え難くしている、という面があることも、納税者としては忘れないようにしたいですね。