原価率

原価率とは、売価に対する原価の割合のことです。計算式は次の通りです。
原価率 = 原価 ÷ 売価
原価の内容は、概ね原材料費と直接の人件費(レイバーコスト)、光熱費等の経費の合計となっていますが、その業界によって、あるいは同じ業界でも経営規模などによって、かなり違ってきます。

例えば、飲食業の場合、企業が経営している等、「労働力を雇用」していることが前提の、ある程度規模の大きな飲食店は、原価の大部分は原材料費と人件費で、原価率は45~60%程度といわれています。
しかし、個人または夫婦・家族だけで経営している小規模零細飲食店の場合は、労働力は身内だけですので、原価は原材料費だけ(人件費は含めない)で考える場合が多く、原価率は業態や商品にもよりますが、だいたい20~35%ぐらいが一般的である、といわれています。

全国チェーンの大手の場合は、規模を活かして原価を低く抑えることも可能でしょうが、零細飲食店の場合は、あまり原材料をケチると料理の質に影響しますから、難しいですね。

上記の原価÷売価で求められる原価率は、経営上のシンプルな原価率ですが、会計上の原価率(売上原価率)となると、意味も概念もちょっと複雑になってきます。

会計上の売上原価とは、売上高の中の原価部分で、商品の仕入れ原価や製造原価などのことです。
例えば、一般的な小売業でいうと、あくまで販売した分(売上高)に対する商品の仕入れ原価ということで、期首・期末の在庫や年度内の仕入れなどが絡んできます。

売上原価率の計算方法は次の通りです。
売上げ原価率 = 売上原価(期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高)÷ 売上高
紛失分や廃棄分も売上原価に含まれます。