不特定多数の人々に業務委託する雇用形態。
【使用例】
『今度のプロジェクトで使用するロゴの制作にクラウドソーシングを利用してみましょう。』
主にインターネットを利用して行われる。翻訳、イラストやロゴの作成などが多く、オープンソースの開発においては古くから採用されてきた。無償の場合もある。広義には不特定多数による共同作業を指すこともある。
クラウドソーシングとは、Crowd(群衆)とSourcing(資源活用=業務委託)の造語で、インターネットを利用して行われる、不特定多数の人々に対して業務内容と報酬を提示し、業務や問題解決を委託したり、逆に制作物やサービス・スキルを提示して、受注者を募ったりする雇用形態です。アウトソーシングの手段のひとつですね。
2006年6月、ジェフ・ハウがアメリカのWired誌に寄稿した記事のなかで、初めてこの言葉を使い、定義付けしたといわれています。
広義では、必ずしも雇用関係を必要とせず、不特定多数の人間により共同で進められるプロジェクトやボランティア全般を指す場合もあります。
ソフトウェア開発においては、以前から、、オープンソース(ソースコードの公開)という形でクラウドソーシングが行われてきましたが、現在ではソフト開発にとどまらず、イラストやロゴ、コピー文案、音楽の作成、名刺、パンフレットやウェブサイトの制作、翻訳、各種のチェック作業などさまざまな分野で、クラウドソーシングは利用されています。
また、商品のレビュー記事などにも活用されていますし、市場調査や商品開発、販売促進など、マーケティングの分野においては「不特定多数の群衆」という特性が活かされ、成果を上げています。
企業にとっては、コンペ形式などの発注形態で、外部から効率よく人材を募り、低コスト・短期間でよりよい品質のもの得られるというメリットもありますが、納期や契約内容で充分な管理が行き届かない部分もあります。
受注する側にとっても、時間や場所、得意分野など、自分の都合やスキルに合わせて作業ができるので、主婦や地方在住者などで高い能力を持っている人には適していますよね。
クラウドソーシングは通常、ネット上の専用サービスによって、受発注が行われます。サービス業者のサイト上に、企業が業務の内容や条件、報酬などを提示し、それに受注希望者が応募し、仲介がなされる仕組みが一般的です。インターネットの普及に伴い、クラウドソーシングの仲介サービス業者は次々と誕生しています。
クラウドソーシングの利用者は、少し以前は、中小企業が多かったのですが、現在は大手の商社やメーカー、メディア、公官庁にまで広がってきています。
潜在的な知的生産力を掘り起こし、それをもって多様化するニーズに対応することを可能にするクラウドソーシングの手法、これからますますそのマーケットは大きくなっていきそうですね。