自己資本利益率=Retrun on Equity=ROE。以下ROE)とは、自己資本に対する当期純利益の割合で、企業の収益力を測る指標のひとつです。
ROEの計算式は次の通りです。
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本
上記式に従えば、例えば、X社とY社の自己資本が共に1千万円だったとして、X社の利益が100万円、Y社の利益が200万円の時、X社のROEが10%、Y社はROEが20%ということになります。
あるいは、X社の自己資本が1千万円、Y社の自己資本が2千万円だったとして、X社とY社の純利益が共に200万円だったときは、X社のROEが20%、Y社はROEが10%ということになります。
つまり、純利益が増えたり、自己資本が減ったりすればROEは上がりますし、純利益がが減ったり、自己資本が増えたりすればROEは下がるということになります。
ROEは、自己資本をどれほど効率的に活用して利益をあげるかを示した指標ですから、一般的に、ROEが高いほど経営能力の高い企業、低いほど経営手腕に疑問符のつく企業、ということがいえます。
配当能力の判断材料でもありますから、ROEは株式投資の基準として重要視されます。
日本では1990年代半ばぐらいから、ビジネスの世界で積極的に使われるようになってきました。
ROEを見る際にひとつ気をつけたいのが、規模の小さい企業や新興企業など資本が少ない企業や、経営が苦しく自己資本まで食い込んだ企業が、結果的に数字上はROEが高くなってしまうことがありますから、要注意です。