公定歩合

公定歩合とは、中央銀行が民間の金融機関に対して貸出しを行う際に適用される基準金利のことです。
「公定歩合」は2006年8月から「基準割引率および基準貸付利率」に名称変更されましたが、本稿では「公定歩合」と称することとします。

かつて日本銀行は、公定歩合を操作することで、金融政策を行ってきました。そうすることにより、金利を調節し、通貨量の安定化を図って、景気に影響を与えてきたのです。
具体的には、景気が過熱しインフレ気味の時には、公定歩合を引き上げ、資金需要を抑えて、また不景気の時には、公定歩合を引き下げ、お金を借りやすくして、景気を上向かせてきました。
しかし、1994年の金利自由化後は、金融政策として金利を調節する機能は、事実上なくなったとされています。

現在は公定歩合ではなく、コール市場(金融機関同士が短期の資金の貸借を行う市場)の無担保コールレート翌日物の金利が誘導目標金利として操作対象となり、金融政策が行われています。
公定歩合は、政策金利としての影がすっかり薄くなってしまいましたが、コールレートの上限金利としての役割を果たしています。