IR(Investor Relations=インベスターリレーションズ)とは、企業が投資家向けに行なう広報活動のことで、経営状況や財務状態、あるいは経営戦略など投資判断に必要な情報を提供していく活動全般をいいます。
近年は日本企業でもIRを導入する企業が増えてきました。背景としては、間接金融に頼らず、市場から直接資金を調達する企業が増えていることが挙げられます。積極的な情報開示が投資の判断材料になり、また投資家からの信用を得ることにも繋がり、それが株価に好影響を与えたり、資本市場からの円滑なファイナンスを可能にするという考えです。
IRは、法律により定められているディスクロージャーと違って、自由な情報を発することができるため、投資家に対する広報活動として有効な手段です。
一般的には、自社の経営方針や業績、将来に関する情報をはじめ、取り組んでいる社会貢献活動や株主に対するメッセージなどを発信します。
IRの方法としては、ウェブ上での情報開示やマスメディアを通じた広報活動をはじめ、経済アナリストなどによるセミナー、投資家に対する各種説明会、工場や施設見学、各種の資料送付など、さまざまな方法がとられています。最近は、IR活動の専門部署を設ける企業も増えてきています。
IR活動について、自社に都合のいい情報しか公開されないという批判もありますが、自社へ投資することのメリットをアピールすることを主眼とする活動ですから、多少は仕方のないことかもしれませんね。