空売りとは、主に株式市場において、株式を所有せずに、証券会社などから現物を借りて売却する信用取引です。
株価が下がった後に同株式を買い戻し、差額により利益を得る投資手法で、株価の下落局面でも利益が狙える方法ですが、もし思惑が外れて、対象株価が値上がりしていると、決済期日に差額を支払わなければならず、損をします。
空売りは、値ざやを稼ぐ目的で行うケースと、所有株の値下がりによる損失を相殺するために行うケースとがあります。
一般的な空売りの流れは、例えば次のようなものです。
投資家が現在、株価500円のA社株が今後株価を下げるだろうと予想し、証券会社から、A社株を借りて(空売りにおいて、投資家は証券会社を通じて株券を借りるのですが、証 券会社は証券金融会社から注文の株券を調達します)きます。
・そのA社株を市場を通じて500円で売却し、代金500円を得ます。
・その後、予想通り価格が下落し400円になったA社株を、投資家は市場を通じて買戻します。
・買戻したA社株を証券会社に返却します。
投資家にとっては、売却金額500円と買戻し金額400円の差額の100円が利益ということになります(厳密には売買手数料や貸株料がかかります)。
しかし、もし予想が外れてA社株が600円に上昇してしまったいた場合は、買戻し金額が600円ということになりますので、売却金額の500円との差損100円を負担しなければなりません。
空売りは、現物を持っていなくても信用取引きで利益が狙える便利な手法ですが、その分リスクもありますから、安易に手を出すのは考え物です。