限界効用とは、ある財の消費量を増加させていくとき、1単位増えた場合に消費者が得られる効用 (満足度)の増加分のことです。
暑いときに飲む冷たいジュース、最初の一杯はとてもおいしいものですが、しかし二杯目となると一杯目ほどおいしくありません。さらに三杯目になると二杯目よりもおいしくは感じないでしょう。つまり杯を重ねるごとに、ジュースから得られる満足度は小さくなります。
このように、財(この場合はジュース)の消費量の増加とともに限界効用(満足度)がしだいに減少することを「限界効用逓減の法則(ゴッセンの第1法則)」といいます。
この「限界効用逓減の法則」が成立するもとで、ある消費者が、一定の所得(限られた金額)で複数の財を消費する場合、その満足度を最大にするそれぞれの財の消費量は、各財の限界効用をその財の価格で割った値が、それぞれの財について等しくなる数量の組み合わせになります。
例えば、共に価格が300円のジュースとケーキの組み合わせで最大の満足を得ようとするとき、ジュースのおかわりを我慢した時に減る効用(満足度)より、その分ケーキをおかわりして増える効用の方が大きかったら、満足度を最大にしたい場合、ジュースを我慢して、ケーキのおかわりを注文するでしょう。
逆にケーキを我慢してジュースをおかわりする方が満足度の高い人もいるかもしれません。 つまりジュース(ケーキ)の注文を減らしたときに減少する効用とその分ケーキ(ジュース)頼んで増加する効用が等しくなるときに最大の満足が得られるということです。
これを「限界効用均等の法則(ゴッセンの第2法則)」といいます。