経験曲線

経験曲線とは、ある製品の生産を始めてから累積生産量が増えるに従って、生産性が向上し、単位当たりの総コストが低下していくパターンをモデル化して示した曲線です。
この経験と効率との間の関係を示す経験則を「経験曲線効果」といい、1960年代にボストン・コンサルティンググループによって提唱されました。

横軸に累積生産量を、縦軸に単位コストをとったグラフで表され、下方にカーブした右下がりの曲線となります。
累積生産量が増加するほど一定の比率で単位あたりのコストが低減しますが、このコストは、生産・管理・マーケティングや販売費用なども含む、総コストのことです。
累積生産量が2倍になるごとに減少するコストの割合を習熟率と呼びますが、一般的には習熟率は20~30%程度とされています。

例えば、ある製品の習熟率が25%だとします。同製品の累積生産量が2千個で単位当たりのコストが1万2千円だったとすると、これが2倍の4千個の累積生産量になった時、コストが9千円になり、8千個では6千7百5十円ということになり、累積生産量が倍増する度に75%のコストで生産できていることになります。
習熟率は、業界や製品によっても異なります。