企業が製品を市場投入する際に対象にする顧客層を設定すること。
【使用例】
『新製品を売り出す際には、ターゲティングが非常に重要になってくる。』
限られた経営資源を効率的に投入するための戦略である。対象顧客層が形成する市場の規模、成長性、収益性などを勘案し、さらにさまざまな状況分析から自社製品が十分な競争力を持つと考えられ顧客市場を選定する。
ターゲティングとは、企業が製品を市場に投入する際、その製品やサービスの標的・対象となる購買層の設定・絞り込みを行うことです。この標的・対象となる購買層をセグメントといいます。
近年、市場は多様化し、顧客層=セグメントごとのニーズも大きく異なってきています。
従来型の、対象顧客を特定しないで大広告を行なう、いわゆるマスマーケティングの手法では、市場のニーズには対応しきれません。
ターゲティングは、多様化する市場に、限られた経営資源で、効率的に対応するための有効な手法・アプローチのひとつといえます。
ターゲティングは販売戦略の対象とするセグメントの選択が重要となってきます。
対象となるセグメントは、事業が成り立つだけの市場規模を有していること、将来性・成長性が見込めること、などの条件を満たしていることに加えて、その市場・セグメントにおける他社の製品やサービスとの競合状況なども勘案しながら選択されます。
また、必ずアプローチ(到達)できるセグメントを対象とすることも大事な要素です。
いくら効果的な宣伝でも顧客に届かなければ意味はないですからね。それらを総合的に判断し、メインターゲットとするセグメントと、それに準ずるセグメントを分けて、いくつか設定しておくことがターゲティングの一般的な手法です。
具体的なターゲティングの例を、パソコンやスマホ、テレビなどのデジタル機器やデジタル家電でいえば、例えば、機能は簡素でも扱いやすさが売りならば、ターゲットとする購買層は年配者や機械に疎い人に設定されますし、複雑の機能満載の高性能機器ならば、マニアや若者にターゲットを絞って、売り込みをかけるのが効果的ということになります。
どのようなセグメントにどのような商品やサービスが求められているかという、ターゲット・マーケティングを進めていくことが、戦略的に重要ということですね。
まあ、そうはいっても、現実には、どうしても幅広い市場に売り込みをかけたくなる「八方美人への誘惑」との闘いになることが多いようですが。
超高齢化社会の現在、介護など高齢者をターゲットとした市場が大きくなってきているのは当然なのですが、婚活市場においても、高齢者のセグメントヴォリュームが大きくなってきているといいます。高齢未婚者のみならず、パートナーを失った高齢者の婚活市場への参入も増えていることがその理由のようです。年々派手になる傾向の孫へのお祝いも含めて、これからの冠婚葬祭市場のターゲティングは、高齢層の財布がメインの標的という
ことになりそうですね。