リスケ(リスケジュール、リスケジューリング)

日程の再調整。債務返済の繰り延べ・条件変更。

【使用例】
『納期を後ろにずらしてもらったのでリスケしましょう。』

納期や作業予定の変更、工程の進捗遅延などでスケジュールを組み直す必要が生じたときに用いる。また金融分野では、返済が困難になった債務に対する、返済期日の繰り延べや金利の減額などの条件変更のことである。

リスケは「リスケジュール、スケジューリング」の略語ですが、現在は、主にふたつの意味で使われています。

ひとつは、ビジネス現場でよく使われる用法で、作業のスケジュールを組み直すこと、日程の再調整をすること、もうひとつは、債務返済の繰り延べや返済条件の変更を行うことで、こちらがリスケの本来の意味です。

まず、作業日程の組み直しを指す「リスケ」ですが、ビジネスの現場では、作業が遅れたり、工程の進捗がはかばかしくなかったりして、納期に間に合わなくなることがよくあります。このようなとき、スケジュールを調整し直す際に「リスケ」は用いられます。
しかし、作業が順調に進んで、予定より納期が早まるような場合の日程調整には「前倒し」の表現が使われ、「リスケ」はあまり使用されないようです。
大概は作業遅れに端を発する納期変更のお願い、に使われますが、これはカタカナ語を用いることによって、「納期先延ばしのお願い」の後ろめたさを多少なりとも軽減したい意図も含まれているかもしれませんね。

もうひとつの、債務返済期日の繰り延べなどを指す方ですが、元々はこちらが「リスケ」の本来的な意味で、金融分野で使われていた専門用語です。そして、現在ビジネスシーンで飛び交っている「日程再調整のリスケ」に比べるとかなり深刻です。

不景気や経営の失敗等々、さまざまな理由で、企業が業績不振に陥り、金融機関への融資の返済に窮したとき、概ね企業側は金融機関に対して「リスケ」の要請を行います。
中身は債務の返済期日の繰り延べ及び返済額の減額、金利の減免、元利金の返済猶予、等々の返済条件の変更要請です。
金融機関としても、貸付先が倒産して、融資が焦げ付くよりも、「リスケ」要請に応じて、返済期間が長くなってもきちんとお金を返してもらう方がいいと判断するケースがほとんどです。
但し、債務の返済は楽になるかもしれませんが、一度「リスケ」を要請してしまうと、それ以降の新規融資を受けるのは極めて困難になりますから、要請は、先々をまで見据えたうえで慎重に行った方がいいでしょう。

文字にするとカタカナ語の「リスケ」ですが、音声では、あたかも江戸時代の人名を思わせる「りすけ」という穏やかな響きであり、これが深刻な事態を緩和させる効果があるのかも?しれませんね。